レクサス IS250 VersionL【その2】
正直言って、見くびっていました。レクサス=トヨタだと思っていましたから(^^ゞ 【シーン1】ワインディングロード 【シーン2】サーキット
(立場的にこんな正直なことを言ってしまってもいいのだろうか・・・)
しかぁし!!トヨタ車とは明らかに別物だと言い切らせていただきます。
本音で言うと、ドライバーシートに座っただけでは「その気」にさせてくれないクルマです。例えば・・・古くは944turbo、新しいところではCaymanや997やロータス等ですと、シートに座っただけで「さぁ、走ろう。どこまでも走ろう。」という気持ちが沸いてくるのですが、お世辞にもISはそんな感じではありません。ところが、走れば走るほど何となくいい感じ。「おっ?やるじゃ〜ん」という瞬間に遭遇します。いい意味で第一印象を裏切る存在。今までの国産車とは明らかに一線を隔す存在です。2006年にドイツで「ゴールデンステアリング賞」を獲得したのもうなずけます。ヨーロッパの自動車雑誌などを見ていると、ジャーナリスト達はかなりシビアな評価をしているように思います。そのような視線の中での受賞は本物だったのでしょう。
では、何が今までの国産車と違うのか?
具体的に挙げていきましょう。
比較的速いテンポでコーナーを抜けていくようなとき、かつての国産車は大抵アンダー傾向でした。それを思い通りに曲げていく事ももちろん可能ですが、レーシングドライバーの視点ではなく、一般ドライバーの視点から見ると、アンダー傾向ということでご理解ください。ところが、ISは国産他社のプレミアムスポーツモデルやヨーロッパ車のようにライントレースが可能です。思い描くラインを外すことなく、ノーズが向きを変えていく小気味よさを誰でも味わうことが出来ます。これは、もちろんVSCの制御が入る前の段階です。速めのアプローチからコーナーの脱出まで、テールもしっかり落ち着いた状態で高次元のコーナリングが可能です。ロールは少なく、終始姿勢は安定しています。その1でも書きましたが、路面に対して神経質にならずに済む分ドライビングを楽しめるクルマに仕上がっています。
本当なら、富士スピードウェイの国際コースを利用したかったのですが、この日のスポーツ走行は二輪のみで、他の日はスケジュールが合わず・・・仕方なく同じ富士スピードウェイ内のショートコースを利用しました。タイヤもブレーキも純正装着のままです。
↑かなりピンボケ?1コーナーへのアプローチです。
ショートコースといえど、サーキットですのでクルマの素顔は現れるハズ。25分の走行時間でブレーキがどう変化していくのか、コーナーでの動きはどうなるのか?チェックしていきました。このモデルではVSCをカットすることができません。トラクションコントロールだけはOFFにしましたが、VSCの制御は入ります。タイトなコーナーで時々「ピピピ・・・」と一瞬、制御の入った音がしますが、失速してしまうような制御ではありません。初期のテールがすっと動き出す部分は制御の範囲ではありません。一昔前の同様システムは明らかにラップタイムを落としてしまうような制御でしたが、このモデルのものならストレスを感じるほどではないでしょう。このコースでは、ストレートで3速に入るものの、それ以外は全て2速での走行です。欲を言えば、コース図の左下にあたる上りながらのヘアピンコーナーは1速にしたい所なのですが、オートマチックのスポーツモードでは、制御が入って1速には落ちてくれません。ここを1速で立ち上がれれば、もっとメリハリのある走行が出来たのですが・・・。
では、コース図を使ってひとつひとつ走行フィーリングを挙げていきましょう。説明しやすいように各コーナーに番号をつけました。
これは、正式なコーナーの呼び方ではありませんが便宜上の数字としてご理解ください。
(1)ストレートのアクセル全開状態から最初のブレーキング&アプローチになる場所です。早目に向きを変えてクリップを取るのですが、ここのアプローチでもワイディング同様思い通りにノーズが動きます。次の(2)へ向けて一瞬だけでもアクセル全開⇒ちょこっとブレーキングの前荷重で向きを変えて再ダッシュ。
(3)のヘアピン手前のブレーキングでは軽くABSが働きます。ここが上りながらの立ち上がりなので、2速のままでは少しかったるさがあるのですが、IS350ならそれも解消できるかも知れません。このヘアピンは、バランスの悪いFR車だとテールが出てきてオーバー状態になるものが多く見受けられます。ところがISでは、VSCの制御を得なくてもテールは出ません。全開で加速しながら(4)のクリップをかすめて(5)へアプローチしていくわけですが、ここはブレーキではなく、アクセルワークで向きを変えていくところです。アクセルを軽くOFFするとちょうど良い程度にテールが出てきます。でも、これはまだVSCが制御を始めるスライドレベルではありません。ちゃんとアクセルコントロールで向きを変えられるセダンなのです。
(6)のコーナーはクリップを取り損ねると最終コーナー(7)までの短いストレートで十分な加速が出来ません。走った事のある方はご存知だと思いますが、この(6)のコーナーはクリップが見えません。かといって見えてからアプローチを始めたのでは遅すぎます。タイミングを掴めばクリップ手前から全開加速体制に入れます。ISはそういう走りにも十分に応えてくれるクルマでした。
最終コーナー(7)でも若干VSCの制御が入りますが、これも一瞬だけ。十分な前荷重で向きを変え、2速全開⇒3速とストレートを駆け抜けます。
見た目には音も静かだし速そうには見えないISですが、同じ時間を走行していた34GTRやシルビアにも負けないラップタイムで安定して25分間を走りきりました。ブレーキも全く変化なし。高速サーキットではないので、この走行だけでブレーキ性能は評価しきれませんが、国産車の中にはショートコースでも数ラップでフェードしてしまうものがありますので、1500kgを超える車体を受け止めていることを考えると、優れているといえるでしょう。
しかし、ここまで挙げてきた性能は1996年式のAudi A4 1.8Tクワトロはその当時既に備えていましたから、日本のスポーツセダンは10年経って同等レベルに達したということでしょうか?
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